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建築と不動産のあいだ。

J&H HOME(株)小野弘志です。東日本橋は曇り。

「建築と不動産のあいだ」という本があります。建築家でもあり宅建士でもある著者が

両者の考えの隔たりを見つめて掘り下げた名著です。

不動産業を営みつつ日々取引をしていく中で、同著の感覚を強く覚えます。

それは不動産に係る領域がものすごく広いことからくる事であって

わかっていても全てを理解できないジレンマがあります。

お客様は不動産のプロとして窓口である我々不動産エージェントに対し質問されます。

時に建築の事、ローンの事、法律の事。個別の問題を含むのでお答えすることが難しい

ケースが沢山ありその際とても戸惑います。

お客様に寄り添うと決めた以上すべてに対しお答えするべきなのですが、答えられない

事の方が多いのが現状です。

著者は建築士と不動産エージェントを両方やってみて互いが同じ「家」と言うものを

取引するのにあたって埋まる事のない溝を体感して著者のスキルがあるからこそできる

融和を考え顧客へ提案し解決する手法を提示しています。

どこまでも顧客目線を追及する姿勢は模範的です。

人生の大きなイベントである不動産の購入について多角的に考えるべきと考え実践している

著者に学ぶところが多い本でした。

同時に「家」にまつわる人の多さ、職業の多さについても考えてしまいます。

一人の顧客が購入する家に私を含む多くの人が介在し時に自分の領域でのみ理論を構築してく姿を反省させられる本でもあります。

マーケッティングの部分に多くの頁を割いていますが本質は「家」を職業にしている人々の

融合こそがいい「家」をお客様に提供できるという事だと思って拝読しました。

7年ほど前の出版ですが折に付け手に取る本です。

2021年11月10日

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